更新日:2025.08.01

今月の家電リサイクル語録
「トーエイ(株)  大鹿工場長 

トーエイ(株)
常滑工場 工場長・リサイクル責任者  
大鹿 臣樹 様

喜びを感じる、新たな商品への生まれ変わり


家電リサイクル法が施行された2001年4月1日、
当社はテレビに特化した再商品化工場としての業務を開始しました。
4月に持ち込まれた台数は20台にも満たない少なさでしたが、
ゴールデンウィークが明けるとその状況が一変します。
100台のコンテナでも足りないほどのテレビが搬入され、
必死に解体する毎日でした。
その後、2010年にも大量のテレビを受け入れました。
これは、地上デジタル放送への移行や
家電エコポイント制度の影響によるものです。
社員を70名に増員し、ローテーションを組んで
処理能力を維持しながら対応したことが思い返されます。

近年はテレビの大型化が進むなか、
50インチ以上の大型テレビを解体するにあたって、
その取り扱いが課題となっていました。
解体に要する時間や作業スペースの兼ね合いで、
50インチ未満のテレビと同じラインに流すと、
どうしても全体の作業効率が低下してしまいます。
そのため、大型テレビの処理量が増加することを想定し、
約1年半前に大型テレビ用のラインを新設しました。
現在、2つのラインを稼働させて効率的に作業を行っています。

また、昨今はリサイクル料金の用途に関する問い合わせがあるなど、
一般消費者のリサイクル意識の高まりを感じています。
地域に根ざして事業を展開する当社は、
「産業まつり」といった地域のイベントに参加するなど、
家電リサイクルの啓発活動にも取り組んでいます。

今後の目標としては、設備をさらに充実させたいと考えています。
その理由は二つあり、
一つはリサイクル素材の品質を落とさず価値を高める
「アップグレード」を実現するということ。
そしてもう一つは、機械化を図って若い人材が働きやすい環境をつくり、
人材の確保・育成という課題に対応するためです。

自分たちの手によって廃家電が新しい商品として生まれ変わるのは、
とてもうれしいことです。
その喜びとやりがいを胸に、社会の変化に対応しながら、
家電リサイクルを通じて循環型社会の構築に貢献していきたいと思います。